年をとるのが楽しくなる100歳の謎 脳と心に起こるドラマチックな変化

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【NHKスペシャル】2016年10月29日放送
「あなたもなれる健康長寿 徹底解明100歳の世界」

   毎日自転車で10キロ走る103歳男性、プールで泳ぐ102歳女性、老眼鏡なしで理髪の仕事をこなす103歳男性......。100歳を超えても元気な医師の日野原重明さん(105歳)は、「誰でもセンテナリアン(世紀をまたがり生きる人=100歳長寿者)になれます」と断言した。

   番組では世界中を取材し、食事の内容、運動の習慣、そして心の持ちようの3つの面から100歳長寿者たちの秘密に迫った。

  • 体を動かすことも長寿の秘訣
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きんさん・ぎんさんの老化スピードは10分の1?

   番組の冒頭、センテナリアンの研究の草分けである慶応義塾大学百寿総合研究センターの広瀬信義教授は、千葉県東庄町の和菓子屋「あづき庵」を訪ねた。店では101歳の田谷きみさんが、毎日10時間、客の相手をして働いている。キビキビとした動き、若々しい笑顔は、100歳以上にはとても見えない。広瀬教授が、田谷さんにこう問いかけた。

広瀬教授「富士の山(ふ・じ・の・や・ま)を反対から言ってください」
田谷さん「(間髪をいれず)ま・や・の・じ・ふ、です」
広瀬教授「おっ、すごい。普通の人はなかなかできないですよ」

   言葉をすぐに逆に発音できるかどうかは、認知症のチェックによく使われる。田谷さんは、頭脳も非常に明晰なのだ。その秘密は、「慢性炎症」の度合いが普通の人より10分の1も低いことにあった。「慢性炎症」とはいったい何か。番組ゲストの鍋島陽一・京都大学名誉教授が説明する。

鍋島教授「体は絶えず炎症を起こしていますが、炎症には、急性炎症と慢性炎症の2つがあります。急性炎症は、病気や傷を受けた時に腫れるなど、病原菌から体を守るために一時的に起こる炎症で、一定期間を過ぎると治ります。慢性炎症は、誰でも加齢とともにゆっくり進む炎症で、老化の元になります。細胞が老化をすると、炎症性サイトカインという物質が放出され、細胞の老化が広がります。死んだ細胞が老廃物となって体内にたまり、血管や内臓を衰えさせていくのです」

   慢性炎症の進み具合を表わす指標が「CRP」という数値だ。数値が大きいほど炎症レベルが高く長生きできない。「1.00」以上が危険で、「0.30~0.99」が正常範囲だ。田谷さんの「CRP」を測ると、なんと「0.03」と通常人の10分の1。「CRP」は、長寿の双子姉妹として人気を集めた、成田きんさん・蟹江ぎんさんの研究から始まった。番組では、108歳で亡くなったぎんさんの内臓の写真が番組で公開されたが、動脈が弾力性に富み、内臓の肉もキレイな状態を保っていた。ぎんさんの「CRP」も非常に低かったと推測されている。

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