29歳で渡米した私は、現在も米国に住んでいます。35歳すぎたころ、主治医に「家族に乳がんになったことがある人がいなければ、40歳になる前、1度だけ乳がん検診を受けるように」と言われました。結果は問題なし。
40歳を過ぎると、毎年検診を受けるようになりました。私の米国での乳がん検診体験記をお届けします。
婦人科の主治医に勧められて
米国に来て不安の一つは、医者探しでした。特に婦人科系に関して、私は「米国の女性は、生理が始まる年齢になるとすぐに主治医を決めて、子宮がん検診を受けている」という情報を得ており、「できるだけ早く婦人科医をさがさなくては!」と思い込んでいました。
当時、日本でも婦人科医にかかった経験がなく、婦人科医自体何をどういう基準で探せばいいのか全く未知の世界。幸い、渡米後すぐ友人を通じて知り合った女性に、通っている婦人科医を紹介してもらえました。そこでは私が加入している保険が使えると分かり、すぐに子宮がん検診の約を入れました。
以後、同じクリニックにずっと通い続けており、婦人科の主治医として毎年の子宮がん検診のみならず出産時もお世話になりました。
35歳すぎたころだったでしょうか。主治医に40歳前の乳がん検診を勧められて、クリニックとは廊下を挟んで反対側にある検査医を訪れました。結果は問題なし。「まあ、身内に乳がん患者も、ほかのがんになった人もいないしなあ」と当然の結果として受け止めていました。
自治体や勤務先による検診はない
40歳からは毎年乳がん検査を受けるように指示されます。ちなみに米国では、日本のように自治体や会社による乳がん検診はありません。自分で受けに行くしかないのです。私のように婦人科主治医経由で行く、自分で直接予約する、ファミリードクター(内科主治医)に紹介してもらう、といった方法があります。ただし、紹介なしだと新規の患者を受け付けない医療機関があります。主治医経由だと、予約がしやすいのです。
40歳を過ぎると乳がんの発症率が増えるので、「乳がん予防のための検査」という予防医学的な意味合いの保険が検査費用をカバーしてくれます。ただし、自分が加入している医療保険の内容によって保障額は様々。また検査費用そのものも、病院やクリニック(診療所)の質によって差があります。
私の場合、子宮がん検診の際に書類を渡され検査に行きました。42歳までは特に問題は起きませんでした。
ところが2人目を出産して3年後、43歳の時に、初めて検査にひっかかりました。「身内に乳がんにかかった人はいないのに、どうして?」というのが正直な気持ちでした。
=次回に続きます= (米国在住ライター・北雨利香)