「動物と衝突」が原因でJR中央線が1時間近く遅れるという珍事があった。
正確には、中央線と直通運転している青梅線内でイノシシと衝突したのが主な原因だが、ツイッターでは「イノシシと衝突」が「トレンド」入りし、「どこの田舎の話だよと思ったら東京の話かよ!」といった驚きの声があがっていた。
「青梅線がイノシシと衝突ってマジ?」「田舎すぎるね」
JR東日本の八王子支社によると、奥多摩発東京駅行きの快速電車が2016年11月1日6時28分頃、沢井駅~軍畑(いくさばた)駅間(青梅市内)でイノシシと衝突。7分後の6時35分に運転を再開し、予定通り東京駅に向かった。この7分間の運転見合わせの影響で、約100人の乗客の足に影響が出た。現場近くの沢井・軍畑両駅は無人駅で、平日の6時台に東京・立川方面に出発する電車はわずか4本だ。青梅線の電車は一部が中央線に乗り入れている影響で、この遅れは中央線にも波及した。
事故から4時間後の10時30分時点でスマートフォンアプリなどに向けて配信された運行情報では、中央線快速電車と青梅線にそれぞれ「遅延」「一部運休」と表示され、その原因はいずれも「動物と衝突」だとされた。画面上では「動物」という表現にとどまったが、乗客向けの車内放送では「イノシシ」と説明されたケースもあったため、
「イノシシと衝突??」
「青梅線がイノシシと衝突ってマジ? 」
「田舎すぎるね」
などとツイートする乗客が続出。「イノシシと衝突」という単語が、一時「トレンド」入りした。
元々の中央線の混雑や荷物がドアに挟まるトラブルも影響
JR東日本では、遅れはイノシシだけが原因ではなく、阿佐ヶ谷駅で乗客の荷物がドアにはさまるトラブルや、元々の中央線の混雑など複合的な要因によるものだと説明している。青梅線で最大22分、中央線で最大57分の遅れが出たが、11時頃には、おおむね通常のダイヤに戻った。この間、青梅線と中央線の直通運転を一時取りやめたり、青梅線の電車を一部間引いたりする影響が出た。
今回の衝突との関連は不明だが、青梅線沿線では、1か月ほど前にもイノシシの目撃情報が報じられていた。今回の衝突が起こった場所よりも、はるかに人の往来が多い場所だ。東京新聞によると、10月1日早朝5時30分頃、福生駅(福生市)の東口広場前で「イノシシがいる」という通行人の110番通報が複数あった。イノシシの体長は1メートル程度で駅前から羽村市方向に逃げたという。