「『茨城県警-Archive.is』との詐称するサイトが確認されました」――。茨城県警が2016年10月27日に行った「偽サイト」への注意喚起をめぐり、インターネット上で「それって有名な魚拓サイトなんだけど...」といったツッコミが相次いでいる。
茨城県警が問題視した『Archive.is』は、ウェブページの内容を複製・保存できる「魚拓サイト」の1つ。そのため、ツイッターでは「魚拓サイトも知らないのか」と揶揄する声が止まない状況だ。今回J-CASTニュースは、県警の担当者に詳しい事情を聞いた。
茨城県警「(魚拓サイトについては)当然把握していた」
茨城県警は27日午後、ツイッターと公式サイト上に「ニセサイトにご注意ください」などと題した注意文を掲載した。それは、
「検索サイトで『茨城県警』等と検索すると、結果欄の中に『茨城県警察ホームページ茨城県警-Archive.is』との詐称するサイトが確認されました。アクセスすると、ウイルス等に感染するおそれがあります。このサイトにアクセスしないでください」
と呼びかける内容だ。
だが、茨城県警が「偽サイト」だと指摘したページが『Archive.is』だったことを受け、ツイッターやネット掲示板には、
「ただのウェブ魚拓をニセサイト呼ばわりする茨城県警」
「流石に少し調べれば分かるだろ」
「どう見ても魚拓です 大丈夫か?」
といった書き込みが数多く寄せられている。
さらに、ニュースサイト『ねとらぼ』は28日午後に配信した記事の中で、「茨城県警に問い合わせたところ、『Archive.isというものを把握していなかった』と説明」と伝えた。この記事などをうけ、ネット上では「魚拓サイトも知らないのか」などと県警の対応を揶揄する声が一層広まることになった。
しかし、当の茨城県警は、こうしたネット上の動きに困惑しているようだ。警務部県民安心センターの広報担当者は28日午後のJ-CASTニュースの取材に対し、
「今回指摘した『Archive.is』がいわゆる『魚拓サイト』にあたることは、当然把握していました」
と説明。「どうしてそんなことになったのか...」と戸惑った様子で話していた。
「不適切な内容を含む他のページに移動してしまう」
そもそも、今回の「茨城県警察ホームページ茨城県警-Archive.is」については、県警のサイバー犯罪対策室がページを確認した上で、注意を呼び掛ける判断をしたという。具体的にどのような問題点があったのかについては、
「ただ茨城県警のサイトをコピー(魚拓)しただけではなく、成人向けサイトや賭博に関わるサイトなど不適切な内容を含む他のページに移動してしまう仕様になっていました」
と説明。その上で、「あまりインターネットに詳しくない人が、『偽サイト』だと気付かずに利用してしまう可能性もある」と指摘した。
なお、茨城県警が問題視した「魚拓サイト」を記者が実際に閲覧したところ、ページ中のリンクをクリックした際に、海外の女性のヌード写真などが表示されるアダルトサイトに移動することがあった。それだけではなく、
「ウイルスに感染した可能性があります」
といった文章を表示した上で、マルウェア(不正なプログラム)の可能性があるファイルをダウンロードするよう促す表示が出た場合もあった。
先述の広報担当者は今回の注意喚起について「当然、今後も続ける予定です」としていた。
今回のサイトが単なる「魚拓サイト」ではなく、ウイルス感染の可能性など問題があるサイトだと気付いた人たちからは、
「完全に警告するのが正しい(略)完全な有害サイトだわ」
「警察としては警告出すくらい当然だろ 魚拓サイトが改変していない保証はできない」
などと、県警の対応を評価する声も出ている。