「あんまりそういうこと言うとね、ファンの人がね、ザワついちゃうんで...」
自らの卒業については「まだ考えられないかなー、っていう状況です」。囲み取材は観客が見守るステージ上で行われたこともあって、
「何かまだやり残す(やり残した)ことが?」
との質問には恐る恐る観客席を見ながら
「ちょっとね、あんまりそういうこと言うとね、ファンの人がね、ザワついちゃうんで...まだ大丈夫」
と言葉を濁した。記者が「(NMB48のファンにとって)うれしい発言ですね」と念を押すと、山本さんから返ってきたのは
「...と、今は言っておきます」
と、そう遠くない卒業発表に含みを残す発言で、観客からは
「えーっ!」
という声があがっていた。
山本さんの「1強」を象徴するのが、8月26日にNMB48が神戸市内で「いつまで山本彩に頼るのか?」と題して開いたコンサートだ。山本さんは出演せず、それでもチケットが完売すれば山本さん以外のメンバーが新曲のセンターポジションを担うという趣向だったが、チケットは221枚を残して完売せず。センターは山本さんに決まった。
山本さんは9月中旬には
「私の考える事は間違ってるのかな。NMBというグループが好きだしメンバーが好きだよ。私は。輝いて欲しいよ、みんなに」
とツイートし、後に削除。AKB48グループの主要メンバーが集められる楽曲に、自分以外のNMB48メンバーがほとんど参加できない現状に対する複雑な思いを吐露した、との見方が広がった。
今回の囲み取材では、アイドルからの路線変更に関する質問も出た。
「NMBから今回はシンガーソングライターと、音楽の形が変わってきている。今、一番やりたいことにたどり着いたという実感はあるか」
という内容で、山本さんは
「ずっとロックが好きだと思っていたところもあったんですけど、アイドルというものになってみて、今まであまり触れてこなかった楽曲に触れたりとか...。今回のアルバムでも、自分で生んだ曲以外にも触れて、もっといろんな音楽をやってみたいという好奇心の方が今は強い。型にはまらず、いろんな曲を書いていけたらいい」
と応じていた。NMB48の現状を念頭に、既存のアイドル路線にも一定の配慮を見せた可能性もある。