「パパのお嫁さんになる~」と微笑んでいた娘も、だんだん成長して父親から離れていく。風呂に一緒に入らなくなるのは、その変化を感じ取れる一つのタイミングだろう。
だが、プロ野球で活躍した中村紀洋さんは、成人した娘と今も一緒に入浴しているという。父と娘の風呂はいつ、どのようなきっかけで終わるのだろうか。
「目のやりどころに困るね」と言いつつも
5人家族の中村さん。妻と3人の娘との家族生活は、2016年10月24日放送の「有吉ゼミ」(日本テレビ系)で明かされた。幼いころは厳しく教育しており、「めっちゃ恐かったと思います。でもルールは守らないといけない」とスパルタぶりを自覚。一方、親子の仲は実に良好で、風呂は娘と一緒の日がある。プライベートを収めたVTRでは、20歳の長女から「パパ入ってる? もう私入るよ」と中村さんがいる浴室に入っていくまでの会話が明かされた。中村さんは「目のやりどころに困るね」と言うものの、次女、三女と一緒になる日もあるという。
放送直後のツイッターでは「20(歳)にもなって親と一緒に風呂入らす中村紀洋スギョイ」と驚きの声もあれば、「ないわぁ...」「ドン引きなんだけど(苦笑)」といった反応も見られた。
芸能界で、父娘で風呂に入ると公言しているのは関根勤さん・麻里さんだ。14年12月22日放送の「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)に2人そろって出演した際、「(麻里さんが)中学1年の前半まで一緒」と話した。麻里さんは「周りの友達が父親とは入らなくなっていたので、もういいのかなと思ってやめた」ものの、「今(当時30歳)一緒に入っても全然気にならない」という。
ただ、一般にこうした例は多くはない。女性向け情報サイト「マイナビウーマン」は、「何歳まで父親と風呂に入っていたか」について女性読者230人にアンケートを取り、14年10月18日に結果を掲載した。5~10歳を合わせると87%にのぼり、最も多かったのは5歳の26%だった。一方、「20歳まで」との回答は1.3%にとどまった。
やめるタイミングは「家族の誰かが嫌がった時」
「娘との風呂をいつやめるか」は父親にとって悩みの種の一つのようだ。Q&Aサイト「教えて!goo」では02年5月10日、10歳の娘を持つ父親が「娘とのお風呂は何歳まで?」と相談を持ちかけた。同じ父親として「娘の体を見てドキッとするかどうかがポイント」という基準を示した回答があったほか、娘や妻の立場からの意見も見られた。
ある女性の書き込みを見ると、小学校5年生の時、胸が出始めたのを自覚してから、「私の胸を見た父親の視線が気になって、その時点でダメだった」と娘の視点で答えていた。思春期とも重なり、父親を毛嫌いするようになったとしている。また、妻の立場で投稿した女性は、娘が心身共に成長してきた小学校4年生の時に「そろそろ一人でお風呂に入ったらどう?」と勧め、父との風呂を控えさせたという回答だった。「お付き合いしていた女性が18歳まで父親と一緒にお風呂に入ってた、と言われたら、どう思いましたか?やっぱり、引きませんか?」と、「娘の交際相手の男性」として答えたユーザーもいた。
父と娘が一緒に風呂に入るのをやめるタイミングについて、臨床心理士・福田由紀子氏は「当事者である娘、パパ、そしてママやきょうだいといった『家族の誰かが嫌がった時』だと思っておきましょう」と15年6月17日に情報サイト「オールアバウト」へ寄稿。その年齢は女の子の第二次性徴が始まる時期と重なる「小学校3~4年生頃が多い」としている。ある日突然、娘が「もうパパとは入らない」と宣言するのは少なくないといい、
「それは娘が順調に成長しているしるし。喜ばしいことなのです。あきらめましょう」
と父親に促している。