【白熱ライブビビット】(TBS系)2016年10月20日(木)
「ビビットFOCUS 乳がん」
乳がん検診と言えば、マンモグラフィー(乳房X線検査)が一般的だ。ところが、マンモグラフィーでは異常なしとの結果だったのに、数か月後に乳がんが見つかったケースを番組では紹介した。
たとえ腫瘍があっても、X線の画像からは見つけにくいタイプの乳房があるという。「デンスブレスト」(高濃度乳房)と呼ばれ、日本人は半数に上る多さだ。
密集した乳腺と重なって腫瘍が判別できない
マンモグラフィーを15年近く受けてきたという風間沙織さん(52)の場合、「異常なし」の通知を受け取ってから5か月後に乳がんが見つかった。
検査後、風呂上りにボディーローションを塗っていた時、何の気なしに胸を下からグイッと上げた際に「こつっと当たった」。不安になり、数日後に乳腺クリニックでエコー(超音波)検査を受けた。医師からは「マンモグラフィーだと分からないけれど、超音波だと確かに何かある」と告げられた。
風間さんは、デンスブレストだった。乳房のタイプは4つに区分されるが、このうち乳腺の密集度によって「不均一高濃度」「高濃度」と判定されたのがデンスブレストにあたる。
濱岡ブレストクリニックの濱岡剛院長によると、マンモグラフィーで腫瘍が見つかった場合、画像には白く写るのに対して、乳房の脂肪部分は黒くなるので判別しやすい。一方デンスブレストは乳腺自体が密集している乳房なので、撮影するとその部分が白く写ってしまい、たとえ腫瘍があっても色が重なって見つけにくいのだ。
濱岡院長「高濃度の乳腺でも、異常所見がない場合は正常として伝わることが多い」
つまりデンスブレストで、明らかに腫瘍だと分からない限り、たとえ有無がはっきりしなくても検診上は「異常なし」となる。隠された乳がんを見つけ出す手だてが必要だ。
乳がんが見つかった風間さんは、その後手術で片方の乳房の乳腺をすべて摘出した。他の臓器への転移はなかった。そのうえで、こう訴える。
風間さん「『マンモじゃよくわからないから、エコーやった方がいい』と言って欲しい」