兵庫県たつの市の知的障がいを持つ生徒が通う県立西はりま特別支援学校の女性教諭(42)が給食で、余分に発注した牛乳とパンを生徒に与えずに自宅に持ち帰っていたとして、停職1カ月の懲戒処分を受けた。
教諭は理由を「病弱な自分の子どもに飲ませていた」などと説明しているとされたため、ネット上の一部で同情の声も上がったが、生徒用として余分に発注したものを持ち帰っていたという。ネット上では「セコ過ぎる」「横領じゃないか」などといった批判が起きている。
代金約6200円は弁償
兵庫県教育委員会にJ-CASTニュースが2016年10月26日に取材したところによれば、この教諭は16年4月から7月にかけて給食で出された200ミリリットル入りの牛乳パック計112パックとパン4個を生徒に与えず自宅に持って帰った。
その「手口」は、教諭が担当しているクラスには牛乳が飲めない生徒が2人いて、うち一人は全く飲めなかったため、牛乳が出された日に1パックを、計56パック持ち帰った。もう一人は牛乳をゼリー状にしたものは受け付けるためそれを与えていたが、教諭はこの生徒に「飲む練習をさせるため」とし、ゼリー状のものに加え1パックを余計に給食室に発注し、その牛乳を生徒に飲ませることなく自宅に持って帰った。それが56パックで計112パックになった。
また、月に1回パンが出る日があり、教諭は給食室に行き「生徒がお代わりを欲しがっている」とし、余分のパンをもらい、それを自宅に持ち帰った。この教諭が7月にエプロンのポケットに牛乳を入れるのを同僚が見つけ不正が発覚した。教諭は牛乳とパンの代金約6200円を弁償した。
なぜこんなことをしたのかについて、「給食は安全な食べ物を出しているため」「病弱な自分の子どもに飲ませていた」などと語っているというが、教育委員会の担当者は教諭が語った不正の理由について、「あくまで本人の供述ですから・・・」と困惑気味だった。教諭は自分が食べ残した給食は持って帰る習慣があり、今年4月からこのクラスの担当になったのをきっかけに、
「自分が食べ残しを持って帰る延長線上、『軽い気持ち』でやっていたのだろうと考えます。しかし、こうした行為は悪質であり、重い停職処分にしました」
と説明した。