香川照之の浮き出た肋骨に菅野美穂が泣いた
「香川照之の方法は、朝食でご飯や卵焼きなどの和食をお腹いっぱい食べ、昼と夜は何も口にしないというものだった。チーフ・プロデューサーの藤澤浩一さんがいう。『ロケが終わり夕食に誘っても、香川さんは、僕はいらない、と。(空腹を我慢しつつ)トレーニング姿でホテルの周りをジョギングしていました。妹・律役の菅野美穂さんが、死ぬ間際の子規の背中をさするシーンがありました。ダイエットで洗濯板のようにゴツゴツと浮き出た肋骨をさすった菅野さんは、泣きそうになった、といっていました』。こうして、死の直前、ガリガリの子規が病床で秋山真之に『このままでは死にきれんぞ』と訴えるシーンは、屈指の名場面になった」
役作りのためとはいえ、俳優たちが敢行する激やせ・激太りは凡人のなせるワザではない。俳優たちがさらにスゴイところは、みな、元の体に戻っている点だ。リバウンドしないという強い精神だけは見習いたい。