沖縄派遣の機動隊員による「土人」発言を巡り、精神科医で立教大教授の香山リカさん(56)が罵声を浴び続ける隊員らの精神状態について説明したツイートが物議を醸している。
きっかけは、2016年10月22日にツイッター上で専門家としての見解を求められたことだ。その質問は「屈強な隊員らでも、毎日のような罵声なら精神的ダメージが大きいのではないか」というものだった。
「『罵声』で惨事ストレスは発生しません」
香山リカさんは、職務であり一般の状況とは違うとして、「たとえば精神医療関係者も患者さんからの攻撃的発言をよく受けますが、仕事なら客観視できますよ」と返答した。警察なら、心のケアシステムも充実しているとも指摘した。
しかし、質問者は、罵声を浴びせ続けられたケースでの精神状態を聞きたかったとさらに尋ねた。すると、香山さんは、隊員らについて「仕事につき心理的影響は皆無」と即答し、次のように説明した。
「警察や消防はご遺体にかかわったり自分の命が危機にさらされたりする現場があり、その場合は『惨事ストレス』が発生する可能性が知られ、自衛隊病院、警察病院の精神科医などが対応しています。『罵声』で惨事ストレスは発生しません。無影響です」
この受け答えがネット上で広まると、香山さんの見解について、疑問や批判が相次いだ。
「我慢するだけで、同じく心を持ち家族もいる人間だぞ」
「仕事してる人間がロボットか何かだと思ってんの?」
「機動隊に人権はないと言ってるのと同じ」
基地反対派らを撮った投稿動画などを見ると、機動隊員らは「人殺し!」などと激しく罵られており、顔を叩かれるなどしているケースもあった。それだけに、職務や仕事だと割り切れないのではないかという声が多い。