大学生の6割が「大麻など危険薬物は手に入る」と考え、20人に1人が実際に使用を目撃していることが、関西の名門4私大の新入生意識調査で分かった。若い世代に薬物乱用が広がっていることが問題になっているが、高校生の時から比較的身近に接している実態が浮き彫りになった。
調査は、関西、関西学院、同志社、立命館の4大学(関関同立)が2016年度の新入生計2万7432人を対象に4月に実施、2016年10月24日発表した。4大学は薬物乱用防止に関する共同声明を発表した2009年以降、毎年新入生を対象に意識調査を行なっている。
「友人が薬物を使用したら、やめるよう説得」は約5割
発表資料によると、大麻、コカイン、LSD、MDMA(エクスタシーなど)、覚醒剤などの危険薬物を「絶対に使うべきではない」と回答した学生が91.5%と大半を占めたが、6.3%は「他人に迷惑をかけなければ個人の自由」と認める考えを示し、一定の割合で容認する学生がいる。「危険薬物を勧められたことはあるか」との問いには、「ない」が93.9%、「ある」が1.4%だった。
また、薬物使用を目撃した経験については、5.8%が「ある」と答えた。「購入や使用を勧められた経験」があるのは1.4%、「周囲に使用者がいる」と答えたのは3.2%だった。「もし友人が薬物を使用していたらどうするか」との問いには、「やめるよう説得する」が48.3%、「先生や警察、医療機関に伝える」が23.5%、「個人の自由なので放っておく」が8.4%だった。
薬物の入手に対しては、35.6%が「少々苦労するが手に入る」、24.1%が「簡単に手に入る」と合計59.7%が「手に入る」と回答した。ただし、実際に入手方法を知っていたり、販売しているのを見たりした人は5.1%だけで、大半は理由に「報道等で簡単に手に入ると感じた」「インターネットで販売されているのを見た」を挙げ、漠然と手に入ると考えているようだった。
発表資料によると、2015年度より薬物の所持・使用で罰せられることや、相談機関の存在を知らない学生が増えている。