法整備が必要
今回の合意実施のため、二つの法律のいずれかを改正するか、新しい法律を制定する必要があり、政府は早急に検討を始める方針だ。
HFCの削減交渉をにらみ、民間では様々な取り組みが進んでいる。
エアコンメーカーで代替フロン自体も生産しているダイキン工業は、温暖化効果がHFCの約3分の1と比較的小さい新型代替フロン冷媒「R32」を2010年に開発。国内向けの家庭用エアコンは既に全量を切り替え済みで、海外向けでも採用機種を増やしている。パナソニックはCO2を冷媒に使う業務用冷蔵冷凍機を販売。業務用冷凍機大手の前川製作所(東京都江東区)や日本熱源システム(新宿区)などはCO2やアンモニアを冷媒に用いる製品を開発している。
海外では、カーエアコンや業務用冷凍機では、米ハネウェル・インターナショナルや、米デュポンから分社した米ケマーズなど米国勢が、温暖化効果がCO2と同等の冷媒を開発済みで、カーエアコンでは米社が世界標準になるとの見方が出ている。
生産から排出まで、複数の法律にまたがる現状を整理するとともに、まだコストが高いという自然冷媒製品の低価格化や新冷媒の開発を支援するなど、国内メーカーの競争力アップの視点も必要だ。