俳優・平幹二朗さんが2016年10月23日に亡くなった。82歳だった。同日放送の「Mr.サンデー」(フジテレビ系)が報じ、その後各メディアが一斉に報じた。
報道によると、同日18時半ごろ、都内の自宅の浴室で倒れているのを家族が発見。その後死亡が確認されたという。死因は不明だが、外傷がないことから事件性はないとみられている。
蜷川幸雄さんへの弔辞は「僕らはまた、近いうちに再会する」
平さんは高校卒業後、俳優座養成所を経て56年に俳優座に入団。退団後に出演した浅利慶太さん(83)演出の劇団四季「ハムレット」(68年)で高い評価を受け、新たな境地を開いた。
故蜷川幸雄さんの作品には数多くの出演歴があり、「王女メディア」「近松心中物語」「NINAGAWAマクベス」等では海外からも注目を集めた。16年5月にあった蜷川さんの告別式では、劇の一節を用いて「僕らはまた、近いうちに再会する」との弔辞を読んでいる。
82歳という高齢でも現役を貫き、最近では10月9日に千秋楽を迎えた舞台「クレシダ」の主演を務めていた。17日にスタートした月9ドラマ「カインとアベル」(フジテレビ系)にも出演中だった。17年1月には、舞台「死の舞踏」への出演も決まっていたが、「クレシダ」が最後の舞台となってしまった。
佐久間良子とは離婚、長男は俳優平岳大
98年には紫綬褒章、05年に旭日小綬章を受章。私生活では70年に女優の佐久間良子さん(77)と結婚したが、84年に離婚。突然の死を受け、「佐久間良子絶句」(スポニチアネックス)という報道もなされている。また、長男で俳優の平岳大さん(42)は24日午前、自宅前に集まった報道陣の呼びかけには答えず、車に乗り込んだという。
訃報のショックは芸能界にも広がっている。14年の舞台「炎立つ」で共演した歌舞伎俳優の片岡愛之助さん(44)は24日のブログで、
「稽古場に入られた時から既にお役になられていて、又、台詞の一語一句に魂がこもっておられ、毎日が勉強になりました。稽古を含め、三ヶ月夢の様な時間でした。冗談が、お好きで、お洒落で、グルメで、、、、」
と、平さんとの時間を振り返りつつ、「もう一度、もう一度御一緒したかった」と悔やんだ。