そういえば農家の子は野菜が大好きだから...
一方、「家庭菜園作戦」の研究をまとめたのは、米フロリダ大学のアン・マシュズ助教授らのチームだ。2016年9月、栄養学の専門誌「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」(電子版)の2016年9月号に発表した。
論文によると、この研究は全米で8つの大学が参加した「Get Your Fruits and Vegetables」(ゲット・フルベジ=果物と野菜を食べよう)運動の1つ。高校生や大学生への事前の意識調査で、農家出身の学生や、子どもの頃に家庭菜園の経験のある学生が野菜を多く食べていることに着目した。
そこで、マシュズ助教授らは「ゲット・フルベジ」プロジェクトに参加している1351人の学生を次の4つのグループに分け、日頃の食生活で野菜・果物を食べている量を調査した。
(1)子どもの頃に菜園をやった経験のある学生。
(2)現在、菜園をやっている学生。
(3)子どもの頃から現在にいたるまで菜園を続けている学生。
(4)一度も菜園の経験がない学生。
その結果、子どもの頃か現在、菜園経験がある学生は、まったく経験がない学生に比べ、野菜・果物を食べる量は平均で20.8%も多かった。
マシュズ助教授は「親が菜園をやっていても、学生自身がそれを見ているだけで手伝わなかった場合は、野菜・果物の摂取量は変わりませんでした。実際に野菜・果物を育てる体験をすることが重要なのです」とコメントしている。
「お小遣い」にしろ「家庭菜園」にしろ、そう難しい方法ではない。試してみてはいかが。