「どうにかなると思っていたら、どうにもならない時代」
一方、家計調査や金融の専門家の多くは「現役時代に収入が多かった人ほど、老後破産に陥るリスクがある」とも指摘する。収入が多いから問題ないと思い込み、返済が厳しいローンを組んで高級住宅を買ったり、子どもを私立の名門校に通わせたりする結果、老後を支えるための貯蓄に回すお金がなくなるというのだ。
「そういった人たちは、退職後も多額のローンが残っていて生活を圧迫したり、見栄などから生活レベルを落とすことができなかったりし、最後は生活に行き詰まってしまう」とあるファイナンシャルプランナーは話す。
老後は年金や退職金に支えてもらおうという意識は捨てなければならない。そして、高額な住宅を購入するなどの過大な支出は抑え、地道に貯蓄して老後に備えるしかないのが現状だ。「どうにかなると思っていたら、どうにもならない時代」と多くの専門家は警鐘を鳴らしている。