任天堂株急落を招いた「Nintendo Switch」 投資家はここに失望した

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   任天堂の株価が急落した。2016年10月21日の終値は2万5185円で引けたが、前日と比べて、じつに1765円(6.55%)も値を下げた。

   この日の日経平均株価は、午前は小幅続伸で推移したが、午後に入ると為替相場が円高に振れたことで一転して利益確定売りに押された。7月上旬以来の6連騰にはならなかったものの、50円91銭(0.30%)安の1万7184円59銭で引けた。任天堂株の下げ幅はそれを大きく上回った。

  • 投資家の注目は、10月26日の第2四半期決算の発表か?(画像は、任天堂のホームページから)
    投資家の注目は、10月26日の第2四半期決算の発表か?(画像は、任天堂のホームページから)
  • 投資家の注目は、10月26日の第2四半期決算の発表か?(画像は、任天堂のホームページから)

新型ゲーム機に高まっていた「期待」

   任天堂の株価は2016年10月21日、一時は前日比1925円(7.1%)安の2万5025円まで下落した。

   任天堂株は7月に、スマートフォン向けゲームの「ポケモンGO」の人気を受けて急上昇。7月19日には3万円の大台を突破して、年初来高値の3万2700円を付けていた。その後、じわじわと値下がりしていたとはいえ、7月19日と比べると、なんと7500円超も下落したことになる。

   株価急落のきっかけは、10月20日深夜に発表された次世代ゲーム機「Nintendo   Switch(ニンテンドースイッチ)」が期待を裏切る結果だったため、その失望感から売られたとの見方が支配的だ。10月20日の終値では2万6950円まで上昇していたこともあり、利益確定売りもあったようだ。

   任天堂の「Nintendo   Switch」は、コードネーム「NX」と呼ばれる新型ゲーム機として開発してきた。発売延期が危ぶまれていたが、予定どおり2017年3月に発売される。その特徴は、据え置き型ゲーム機でも、携帯型ゲーム機としても遊べることだ。

   本体にディスプレイを備え、その左右に着脱可能なコントローラーが挟む形になっており、このコントローラーを取り外せば、本体部分を携帯型ゲーム機のように持ち歩くことができる。また、その本体をHDMIケーブルで接続すれば、テレビ画面に映してゲームを楽しむこともできる。

   これまでのゲーム機でこうした兼用のゲーム機はなかったが、ゲームユーザーや投資家らの「期待」はそれを上回っていたようだ。同社の「ポケモンGO」が大ヒットしているように、いまやスマートフォン向けゲームが全盛の時代だ。

   ただ、「持ち運び」のための兼用ゲーム機という発想は、ゲームのプレーを大きく変えるほどのインパクトはなく、想定の範囲内ともいえ、かえって「守り」の印象をもたれた可能性は否定できない。「持ち運ぶ」のであれば、スマホでも十分ということなのかもしれない。

「WiiとニンテンドーDSをくっつけたってこと?」

   任天堂の「Nintendo Switch」が発表された直後から、インターネットには、

「SWITCH! 予想どおりやねwww」
「やっぱ携帯機かつ据え置きか」
「まじでケータイ機+家庭版かよ。設計が素人だとしか思えんなw」
「コントローラー取り外しはよくないねぇ。なくすヤツもいるだろうし、何よりこういったものは接続部分が壊れやすい」
「これってわざわざコントローラー外すようにしなくても、別途ワイヤレスコントローラーを付属すればええだけやないん?」
「任天堂の自爆スイッチってことかなw」

などとあまり驚きの声はなく、評価はさえない。

   もともと任天堂では、スーパーファミコンとゲームボーイ、WiiとニンテンドーDSのように、据え置きゲーム機も携帯型ゲーム機も販売していた。

   なかには、

「要はWiiとニンテンドーDSをくっつけたってこと?」

といった声もみられる。

   2016年10月21日の任天堂株の急落は、こうした声がそのまま、投資家らの「期待はずれ」との評価につながったかのようでもある。

   任天堂は2017年3月期第1四半期(4~6月)決算で、最終損益が245億円と赤字に転落した。10月26日に発表する第2四半期(7~9月)決算に、投資家らの注目が集まりそうだ。

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