2016年10月21日に発生した鳥取県中部を震源とする最大震度6弱の地震の影響を受け、関西エリアの私鉄各線でも大幅なダイヤの乱れが生じた。今回の地震では、大阪や兵庫、京都などの一部地域で最大震度4を観測した。
阪神電車と阪急電鉄、京阪電鉄では14時7分の地震発生直後から全線で一時運転を見合わせ、安全確認を行った。一方で、JR西日本の京阪神エリアを走る在来線は、ほとんど地震の影響を受けず、目立った遅れなどは発生していない。
京阪「緊急地震速報が流れたため」
地震が発生した14時7分の直後から、阪神電車と阪急電鉄、京阪電鉄の3私鉄は安全確認・確保のために全線で運転を見合わせた。いずれも14時15分前後に運転を再開したが、この影響で各線の運行ダイヤに大幅な乱れが生じた。連結する他の私鉄にも影響が出るなど、一時は関西私鉄のほとんどに遅れが出るほどだった。
運転を見合わせた理由について、京阪電鉄の広報担当者はJ-CASTニュースの取材に対し、
「緊急地震速報が流れたため、全線で停車して安全確認を行いました」
と話した。
その一方で、JR西日本の広報担当者によれば、「(京阪神エリアを走る路線は)今回の地震では、運行に大きな影響はありませんでした」という。実際、大幅なダイヤの乱れが出たのは中国地方に接続する山陽線だけ。大阪環状線は同日に一時運転を見合わせたが、地震ではなく橋桁に車輛が接触した影響によるものだった。
こうした対応の「違い」をめぐり、ツイッターには、
「JRの本線は地震でとまりもしなかったのか」
「安全確認のためとは言え、阪神電鉄も全線ストップとは...」
「台風とかに弱いJRが 地震でも遅延無しで動いてる! その代わりに、関西私鉄遅延ある... 地震と台風やと逆になるんか」
などと驚きを表す書き込みが出ていた。
JR西「自社の規定に従って対応しただけです」
地震で運転を見合わる私鉄が出る中で、基本的に通常通りの運行を続けたことについて、JR西の担当者は、
「他社のことは分かりませんが、自社の規定に従って対応しただけです」
と話していた。
今回の地震で震度6弱を観測した倉吉市と湯梨浜町、北栄町では家屋の倒壊や落石などの被害が出た。その後も鳥取を震源とする地震は断続的に発生しており、17時59分頃にも最大震度4の地震を観測した。気象庁は21日午後に行った会見で、
「今後1週間は最大震度6弱程度の地震が起きる可能性がある」
と警戒を呼びかけていた。