トヨタめぐる「三角関係」 スズキとダイハツ、「共存」の行方

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両トップとも資本提携の可能性、否定せず

   ダイハツはインドネシアで生産シェア1位、マレーシアでは政府と共同出資で国民車「プロドゥア」を展開し、販売シェア1位となっているが、スズキスイフトのような国際戦略車が育っていない。スイフトは今(16)年4月、世界累計販売500万台を突破。2004年の初代モデル発売以来、日本、ハンガリー、インド、中国、パキスタン、タイなど7か国で生産し、140以上の国・地域で販売している。日本はじめ各国のカーオブザイヤーも受賞した。

   このため、自動車メーカー関係者は「スズキはインドなど新興国だけでなく、欧州市場でも小型車を開発し、販売してきた実績がある。この点はダイハツと大きく違う。トヨタはダイハツよりもスズキの小型車開発、販売戦略に魅力を感じているのは間違いない」という。

   トヨタとスズキが業務提携の検討を発表した12日の記者会見で、スズキとの資本提携の可能性を問われたトヨタの豊田章男社長は「これから業務提携の検討を始めるので、中身は何も決まっていない」としながらも、「ダイハツとは半世紀やってきた。スズキとはまだ『お見合い』の段階なので、これから考えたい」と、含みを持たせた。スズキの鈴木修会長も「これからの議論だ。ゆっくり考える」と述べ、資本提携の可能性を否定しなかった。

   トヨタはトラックの分野では日野自動車に50%出資して子会社としながらも、ライバルのいすゞ自動車にも6%出資し、共存を図ってきた経緯がある。「トラック市場における日野といすゞの棲み分けはわかりにくい」(自動車メーカー関係者)が、当面、ダイハツとスズキも日野・いすゞのような関係で共存する可能性が高い。ただし、国内でトップ争いを演じてきたダイハツとスズキの軽の開発競争が緩むようなことがあれば、日本のユーザーにとって朗報とはならないとの懸念も出ている。

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