行き過ぎた「母乳推進」運動が圧力に?
産婦人科医の宋美玄(ソンミヒョン)さんも、2016年5月4日付の読売新聞コラム「宋美玄のママライフ実況中継」の中の「手間のかからない液体ミルク、日本で使えないのはなぜ?」の中でこう疑問を投げかけた(要約抜粋)。
「東日本大震災の時も話題になりましたが、諸外国では普通に売られている液体ミルクが日本では売られていません。理由は、食品衛生法に基準がないことや、需要が読めないので国内メーカーが及び腰であることが言われています。粉ミルクは清潔な水と哺乳瓶などの器具、それを沸かす設備が必要なため、災害時にはハードルが高すぎます」
「こういう時に『母乳こそ素晴らしい』という情報が流されているのを見ると、無神経に思えてきます。私は、陰謀論は好きではありませんが、母乳育児推進団体が『親たちが安易に人工乳を使えないように』と圧力をかけているのでなければ、法整備をして国内でも生産販売されるべきだと思います」
ともあれ、やっと乳児用液体ミルクが解禁される運びになってきた。政府は業界団体に液体ミルクの安全性の試験を求め、2016年度内に方針をまとめる予定だ。災害時はもちろん、普段の生活でも、ママの負担が軽くなり、パパも育児に参加しやすくなる。先の「乳児用液体ミルクプロジェクト」のサイトにはこんな声があった。
「阪神大震災より21年、ついに~ですね」