三菱重工業は2016年10月18日、10万トンを超える大型客船の建造事業から撤退すると発表した。同社の大型客船事業をめぐっては、米企業から受注していた2隻の大型客船の納期が設計のやり直しや火災で遅れるなどして、16年3月期までに2400億円を超える損失を計上していた。
同社の宮永俊一社長は18日に東京都内で記者会見し、現在長崎造船所で手がけている大型客船の建造は「事業構造や環境に大きな変化がない限りは取りやめる」と語った。客船事業については今後、中型・小型客船に限って受注する方向で、今治造船など協業する造船3社とも資本面も含んだ提携を検討するという。