労使双方に警戒感 官邸主導「働き方改革」の本丸

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「脱時間給」盛り込んだ労働基準法改正案との整合性

   一方、労働時間ではなく仕事の成果に給料を支払う「脱時間給制度」を盛り込んだ労働基準法改正案も国会に提出されている。ほとんど審議されず1年半たなざらしが続き、今臨時国会でも成立は見送られる見通しだが、そもそも、長時間労働是正で残業時間を規制しようという流れと、脱時間給の矛盾も指摘され、「働き方改革」の全体像の中でどう整合させるかが問われることになる。

   日本の雇用慣行が大きく崩れかねないことには、労使双方に警戒感を共有するのが実態で、労働側は一般論として同一労働同一賃金などは歓迎するものの、「政府の本当の狙いは、解雇規制緩和など、労働問題の『本丸』に切り込むこと」(野党筋)との警戒感が根強く、連合の神津会長は「法律をつくる前に、(労使代表半々の労働政策審議会など)審議会できっちり詰める必要がある」と、官邸主導の制度改正を牽制する。

   経済界は総論では賛成だが、規制強化による業務への支障が出ることを懸念。経団連の榊原会長は「労働者の保護と業務の継続性の両面から検討する必要がある」と語る。政府が、当面、労働側が望む労働条件の改善に軸足を置いていると警戒する声もあり、「当初めざした生産性の向上やGDP拡大を後回しにしているのでは」(経済団体関係者)との不満も聞こえる。

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