恐怖の「スキルス胃がん」治療に光 大阪市大、増殖・転移を抑える方法発見

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悪役タンパク質コンビががん細胞増殖に暗躍

   大阪市立大学の2016年10月11日付発表資料によると、研究チームは人間のスキルス胃がんの細胞をマウスの胃に移植し観察した。すると、スキルス胃がん細胞が作り出す「CXCL1」というタンパク質が、正常な骨髄細胞をがん組織の中に誘導し増殖に利用していることを発見した。CXCL1は骨髄細胞の表面にある「CXCR2」という別のタンパク質にシグナルを送って骨髄細胞を集め、がん細胞化させていた。

   そこで、スキルス胃がんを発症したマウスを2つのグループに分け、一方のグループにCXCR2の働きを妨げる化合物を注射して経過を観察すると、注射しなかったグループよりも、がんの増殖や転移が抑えられ、生存率が高くなった。

   研究チームによると、すい臓がんなど他の治療が難しいがんも、同様の仕組みでこの2つのタンパク質ががん細胞の増殖に関係しているとみられ、CXCR2の働きを阻害する新たな治療薬の開発が期待されるという。八代准教授は記者会見で「製薬会社と連携し、できるだけ早く臨床試験を始めたい」と語った。

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