妻の6割は「夫と同じ墓に入りたくない」
こうしてみると、メリットばかりのようだが、デメリットもある。
(1)自分の墓を用意する必要がある。
(2)夫が生きている時から義母らと同居しており、ほかに義母らの扶養義務者がいないなど特別の事情がある場合は、家庭裁判所の決定により妻が扶養義務を負うケースもある。
「死後離婚」ブームに火をつけたのは、2014年1月27日放送のNHK「あさイチ 夫と同じ墓に入りたくない!」だった。番組で既婚女性1488人にアンケートをとると、59.1%が「夫と同じ墓に入りたくない」と回答した。その理由を聞くと(複数回答)、「自分の知らない先祖と一緒に入りたくない」(39.9%)、「夫の家族、両親が嫌い」(30.7%)が上位を占め、「死んでからは夫の実家と付き合いたくない」と考えている人が多いことがわかった。
一方、既婚男性1295人に聞くと、62.9%が「妻は夫と同じ墓に入るべきだ」と答えた。夫婦が逆の思いを持っている現実に、MCの2人はこう嘆息した。
有働由美子「少し前のラブストーリーなら、『来世も一緒に』が口説き文句だったのにね」
井ノ原快彦「男は、妻に夫と同じ墓に入りたいと思わせなきゃいけないんでしょうね~」
冒頭に紹介したママさん向けサイト「パピマミ」の「姑の面倒なんてみるか!『死後離婚』したがる女性のシビアな本音」特集をみると、40~50代からコッソリと「死後離婚」を考えている女性が多いことがわかる。
「単純に姑の面倒をみたくないから。夫がいなくなった後まで面倒をみる義理はないです。自分の親だけで精一杯。夫が亡くなったら絶対に『死後離婚』しますよ。もちろん、夫には内緒ですけど」(50代・結婚生活31年)。
「姑の存在はうっとうしいだけ。結婚直後から迷惑してきました。今もすぐ頼ってくるし、早く縁を切りたいです」(40代・結婚生活8年)。
「私は自分の両親と同じ墓に入りたい。夫の親族に思い入れもないし、『死後離婚』を知ってから、絶対しようと決めています」(40代・結婚生活26年)。
「夫が亡くなったら、自由にさせてもらいたいです。夫にも、夫の両親にも我慢してきましたから」(60代・結婚生活42年)。