英国の5倍の高額薬価どうする? 話題の抗がん剤オプジーボ・・・日本製なのに

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   開業医、開業歯科医の組織、全国保険医団体連合会(保団連)は2016年10月6日の「マスコミ懇談会」で、超高額薬価で話題の小野薬品工業の抗がん剤オプジーボ (一般名ニボルマブ) が、日本の5分の1の薬価の英国で「高すぎる」との批判を受け、さらに半値になりそうなことなどをくわしい資料とともに公開した。

   また、政府による薬価の決め方がまったく不透明なことを批判、透明化への運動を続けていくことを表明した。

  • オプジーボの薬価が注目されている(写真はイメージ)
    オプジーボの薬価が注目されている(写真はイメージ)
  • オプジーボの薬価が注目されている(写真はイメージ)

価格差さらに広がる可能性

   オプジーボは悪性黒色腫に対し、14年7月に日本で、12月に米国で承認された。多くのがんに効くとして臨床試験中で、2つ目の肺がん (非小細胞肺がん) には15年10月米国、12月に日本の順で適用が広がった。やや遅れて英国では、16年2月に悪性黒色腫に承認され、肺がんには現在審議中の段階にある。

   厚生労働省はオプジーボに高額の薬価を認めたが、悪性黒色腫の対象患者は数百人で、売り上げも最大31億円の見込みだった。ところが、肺がんの対象患者は数万人と見込まれることから、保険財政への影響がクローズアップされてきた。

   調査によると、100ミリグラムあたりの薬価は日本が約73万円だが、米国は約30万円、英国は約14万円で、日本は米国の2.4倍、英国の4.8倍だ。2週間に1度注射の標準治療では、体重60キロの患者の年間の薬代は英国で約780万円、米国が約1394万円に対し、日本は約3460万円にもなる。

   ところで英国には、国立医療技術評価機構(NICE)という新技術の費用対効果格を評価する機関がある。NICEは、肺がんは既存薬との比較から悪性黒色腫の50%程度の薬価を妥当とし、製薬企業も受け入れる方向と伝えられている。日本との価格差はさらに広がる可能性が高い。

   保団連はこの調査をもとに、薬価算定経過の公開、欧米各国の薬価を参照するルール、英国の5倍ものオプジーボ価格の緊急引き下げなどを骨子とした「高額薬剤への対応と薬価制度改善を求める要望書」を9月に塩崎厚生労働大臣に提出ずみという。 (医療ジャーナリスト・田辺功)

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