雑所得として必要経費が認められるケース
一方、馬券の払戻金は、必要経費が広く認められる「雑所得」と判断されるケースがある。2013年3月に最高裁が、ソフトウェアなどを開発して事業として長期間、網羅的に馬券を購入している場合などを、「営利目的とする経済活動で生じた所得」として雑所得に該当すると判断。当たり馬券以外のハズレ馬券も経費に当たると認めた。
この最高裁判決に基づき、国税庁は通達を見直し。それまで「一時所得」扱いだった馬券の払戻金に、「雑所得」を加えた。同年5月には、競馬の予想ソフトウェアを改良してインターネットで馬券を大量に自動購入していた大阪市の男性(当時41)の脱税事件で、大阪地裁が「雑所得」と判断した。
大阪国税局は、「費用をかけてソフトウェアなどを開発したり、網羅的に馬券を購入したりしているかなどの経済活動であるかどうかが重要で、(一時所得か、雑所得かは)そこを判断します」と説明する。
今回の寝屋川市職員の男性のように、競馬新聞などの情報をもとに予想して馬券を買っている人は、どんなに高額な払戻金を手にしたとしても、当たり馬券代だけしか必要経費として認めてもらえず、それをもとに所得税(一時所得)を払わなければならないわけだ。 JRAの「WIN5」や1、2、3着を順番どおりに当てる「3連単」馬券は、100円が数百万円、ときには1000万円台や数億円も飛び出す、高額配当が期待できる「夢の馬券」だ。時間をかけて予想して、大儲けしても一時所得として税金がかかることになる。