「レタス高いからキュウリで!」――あるツイッターユーザーが自家製サンドイッチの写真を投稿して、こうつぶやく。
2016年9月に日本列島を襲った台風、そして長雨の影響で野菜の価格が高騰している。中でもレタスは10月になっても目を疑うような値段で販売されており、1玉500円も珍しくない。サラダやちょっとした添え物、日々の料理に欠かせない野菜だけにネットで「ワンコイン!?」「肉より高い」といった声が相次いでいる。
家庭菜園に踏み切る人たちも
野菜の高騰が止まらない。原因とみられるのは、16年9月に相次いだ台風や秋雨前線の停滞だ。気象庁が10月3日発表したところによると、9月の日照時間は東・西日本、沖縄・奄美でかなり少なく、西日本の日本海側では統計を開始した1946年以降で最少になった。一方で雨量は多く、西日本では平年比180%以上を記録。日本各地で土砂災害が起こった。平均気温も例年に比べて高かったという。気温が高いわりに日照時間が短い、ぐずついた天候となった。
そんな天候も影響し、野菜は例年に比べて高値で推移、中でもレタスは目に見えて「高い」。マスコミ報道によると、一部地域では例年の2倍近くにはね上がっているという。 ツイッターには、
「肉より高い」
「買い物が進まない」
「ゲェーッ!ワンコイン!?」
と驚き、嘆きの声が寄せられている。ツイッターを見ると、一部の家庭は料理の具材を他の野菜に変えたり、家庭菜園での栽培に踏み切ったりと、さまざま工夫でレタス高騰をしのいでいるようだ。
農水省の見通し......
記者が16年10月14日、東京都千代田区内のスーパーを5店舗回ったところ、1玉278円から498円(いずれも税抜き)と価格にばらつきがあった。一方、キャベツは1玉100円台で販売している店舗も多く、レタスとの価格差が著しい印象だ。
となると、気になるのはこの高値が今後も続くのかどうかだ。
農林水産省が9月30日に発表した「野菜の生育状況及び見通し」によると、レタスは主要生産地の長野県や茨城県での生育状況が平年並みのため、出荷量や価格は10月を通してみれば、平年並みに戻る見通しだ。
一方、ダイコンやニンジン、ホウレンソウ、キュウリ、ピーマン、ジャガイモ、ナス、トマトに関しては、10月になっても高値で推移するようで、「完全復旧」とまでは言えないかもしれない。