UPS「まさに昨日のような停電時には有効な装置」
東京の大規模停電で、作業中のデータが落ちてショックを受けている人が続出するなか、 「こんな時こそ『UPS』の必要性を確認しよう」と呼びかけるツイートもみられた。
なかには、
「サーバー管理者や社内インフラの管理者はいまこそUPSの導入を強く訴えるべきだ」
「今日ほど上司が偉いと思ったことはない!うちの職場、つい最近買ったばかりです(泣)」
といった声が寄せられている。
「UPS(Uninterruptible Power Systems=無停電電源装置)」は、一般に電力変換部分(電気回路)と蓄電部分(バッテリー)の組み合わせで構成されており、突然の停電や電源トラブルが発生した場合に、パソコンなどの電源を供給する機器に対して、一定時間、蓄電池に蓄えられた電力で安定的に電力を供給し続けることで、機器やデータを保護する装置をいう。
NTTファシリティーズは、「まさに昨日のような停電時には有効なバックアップ装置になります」と話す。
「たとえば、オフィスにあるコンセントのブレーカーとコンセントの間にUPSを接続。UPSの取り出し口(電源)からパソコンなどをつなぐことで、不意の停電などの備えになります」と説明。つまり、UPSが蓄電池の役割を担ってくれるわけだ。
同社によると、1kVA(キロボルトアンペア)のUPSに、仮に50W(ワット)のパソコンをつなげた場合、16台のパソコンを6~10分バックアップできるという。UPSが搭載しているバッテリーの容量でバックアップできるパソコンの台数や時間が異なるが、「当社で一番大きなもので16台のパソコンを180分バックアップできます」という。
とはいえ、ツイッターには、
「忘れてはいけない。UPSは安全に電源を切る時間を稼ぐだけだ!」
「UPSは停電中に作業が継続できる機器ではありません。停電直後にデータを保存してから、パソコンを止めてくれるだけです!」
との指摘もある。
UPSを利用したとしても、まずは消失しては困るデータの保存作業に徹することがいいようだ。