厚労省「科学的知見が十分に得られているとは言えない」
欧米生まれのホメオパシーだが、日本でもこれまで数々の議論を巻き起こしてきた。記憶に新しいのは2010年、日本学術会議とホメオパシー関連団体の間に起こった論争だ。日本学術会議は同年8月、「治療としての有効性がないことは科学的に証明されている」などとホメオパシー否定の声明を発表。日本医師会や日本医学会、日本薬剤師会、日本歯科医師会といった医療系団体がこれに賛同した。
対するホメオパシー関連団体は、日本ホメオパシー振興会の永松昌泰代表が同月のブログで「(日本学術会議の)会長がイメージされていらっしゃるものと、実際のホメオパシーとは、大きな距離がある」、日本ホメオパシー医学協会も同月の公式声明で「ホメオパシーに効果があるというのは疑いようのない事実」と反論した。
実際、日本学術会議も上記の声明では「ホメオパシーは現在もヨーロッパを始め多くの国に広がっています」「非科学的であることを知りつつ、多くの人が信じているために、直ちにこれを医療現場から排除し、あるいは医療保険の適用を解除することが困難な状況」だと指摘している。実際、症状が改善したと主張する個人ブログやSNS投稿、関係書籍もみられる。
ただ、日本では09年、ホメオパシーに基づく治療で新生児が死亡する事故も起こっている。また近年、ホメオパシーなどの「代替療法」と西洋医学を組み合わせる「統合医療」の概念も医療界で提示されているが、厚生労働省は13年2月の資料で「現時点では、全体として科学的知見が十分に得られているとは言えず、患者・国民に十分浸透しているとは言い難い」と指摘している。
イケダさんはなぜ今、ホメオパシーを取り上げたのか。J-CASTニュースは16年10月13日昼にメールで取材を申し込んだが、同日19時現在、回答はきていない。