腎不全を防ぐタンパク質を活性化させる
しかし、腎不全を発症する具体的なメカニズムはよくわかっていなかった。
研究チームは、人間やマウスでは、血液中にある「AIM」というタンパク質が、急性腎不全で腎機能が低下すると活性化し、腎臓内の尿の通り道にたまった老廃物を掃除する働きをすることに着目した。そこで、猫のAIMの働きを調べるため、急性腎不全を起こさせたマウスに猫型に変えたAIMを注射すると、予想通り、老廃物を除去することができず、大半が死んだ。猫型のAIMではなく、マウス型のAIMを注射すると、8割が生き残った。つまり、猫のAMIは急性腎不全になっても働かないことを突きとめたわけだ。
もともと猫のAMIの量は人間やマウスより多い。このAMIを働くように活性化させれば、腎臓病の予防や治療につながり、猫の寿命をもっと伸ばせることができるという。