「サクマ」ドロップ、実は2種類 ネットで微妙に違う缶デザイン話題

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太平洋戦争で会社はいったん解散

   一方、「サクマドロップス」を製造・販売する「サクマ製菓」(東京・目黒)は、1947年に旧佐久間製菓の山田弘隆社長の三男、隆重氏がドロップス以外のキャンディーを製造。翌48年には「サクマドロップス」のネーミングで製造を開始した。

   緑色の缶に、マークには王冠とヨットの絵が描かれている。味は8種類。いちご、レモン、オレンジ、パイン、りんご、メロン、すもも、ハッカのフルーツをベースとした構成。今では地域を限定したフルーツ果汁などを使用した姉妹品を展開しており、おみやげ品としての需要が高いという。

   終戦後、ほぼ同時期に2つの「さくませいか」が設立されたことになるが、両社は協議の結果、佐久間製菓が「サクマ式ドロップス」の商標を使うことが認められ、一方は「サクマ製菓」を名乗ることが認められた。また佐久間製菓、サクマ製菓はともに、「サクマドロップス」(商標)のネーミングについては「共有」の権利として使用していくことや、販売活動などの際にお互い誹謗中傷しないことなどを取り決めた、と説明する。

   両社とも「伝統の味」を変えたことはなく、元の製造法が一緒なので、どちらの「サクマ」ドロップを口にしていたか、とくに気にする消費者もいなかったようだ。佐久間製菓は「混同されることがないとはいえませんが、苦情などになったことはありません」といい、サクマ製菓も「とくに苦情はありません」という。

   さらにJ‐CASTニュースが「商品名の変更を考えたことがないか」聞いたところ、佐久間製菓は「まったく考えたことはありません」、サクマ製菓も「戦前からの、長く皆様に愛されている商品であるため、変更しようと考えたことはありません」と、こだわりをみせる。

   サクマドロップはいまどき珍しい「共存共栄」の商品のようだ。

   ただ、「佐久間製菓」と「サクマ製菓」のホームページのURLも末尾が、前者が「.co.jp」と後者が「.com」の違いしかなく、「何ともややこしい」などといった声もある。

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