2016年10月12日午後、東京都内で広範囲にわたる大規模停電が発生した。東京電力によれば、影響が出た地域は新宿区や千代田区など7区にわたり、15時39分頃に最大で約35万軒が停電した。
送電は順次回復し、同日16時25分にはほぼ解消されたが、停電の影響で運転を見合わせる鉄道が出たり、信号機の故障が発生するなど混乱が広がった。
停電の原因は新座変電所の「火災」
東京電力広報室によれば、大規模停電が発生したのは15時30分頃。停電が起きた地域は、新宿区、港区、千代田区、杉並区、練馬区、板橋区、豊島区の7区。
埼玉県新座市にある東京電力の関連施設で15時頃、埋設された東電のケーブルから発火したことが停電の原因。火災が発生した理由については、16時30分時点で「調査中」と回答した。
首都を襲った大規模停電の影響は大きく、交通や都市機能に大きな影響が出ている。西武鉄道は、停電の影響で秩父線を除く全線で1時間近く運転を見合わせた。西武有楽町線は12日17時38分現在も運転を見合わせている。また、東京メトロ有楽町線や都営大江戸線も一時運転を見合わせた。
また、停電の影響で信号機の故障も発生し、車での交通にも影響が出たようだ。ツイッターなどに寄せられた情報によれば、豊島区の交差点では一時信号機が停止した影響で、警察官が手信号で交通整理を実施したという。
「一箇所の停電でこれだけの都市機能が落ちるって...」
中央省庁が集中する霞が関にも、停電の影響が及んだ。各メディアの報道によれば、文部科学省や厚生労働省、国土交通省でも一時停電になったという。また、タレントの阿曽山大噴火さんがツイッターで報告したところによれば、東京地裁も公判中に停電。法廷の電気や空調が停止したが、裁判は「暗い中で続行」されたと驚きを綴っている。
そのほか、各テレビなど報道によれば、停電の影響でエレベーターに閉じ込められたとの通報が東京消防庁に複数件寄せられているという。
このように大きな混乱を生んだ今回の停電について、ツイッターやネット掲示板では、
「都市機能がこれだけのことでストップするとは」
「一箇所の停電でこれだけの都市機能が落ちるってことが危うい」
「数十分の停電でこれだもんなあ。本当に首都直下型地震とかきたら...」
などと不安視する声が相次いで上がっている。