財務省が2016年10月11日に発表した8月の国際収支状況によると、海外との貿易や金融取引で稼いだ額を示す経常収支は2兆8億円で、前年同期に比べ黒字幅を3759億円拡大した。経常収支の黒字は26か月連続となる。
発表によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2432億円の黒字で、前年同期に比べ5724億円上昇。原油やLNG(液化天然ガス)の価格低下などをうけ、赤字から黒字に転じた。
また、海外との利子・配当のやり取りを示した第1次所得収支は、企業が海外子会社から受け取った配当が多かったため、1兆9853億円の黒字となった。
一方、前年同期に421億円の黒字だったサービス収支は525億円の赤字に転化。通信・コンピュータ・情報サービス関連の支払いなどで「その他サービス収支」が悪化し、出国する日本人が増えて旅行収支の黒字幅が縮小したことが影響した。