食べるだけでストレスが減り、ダイエット効果抜群
マウスの実験で、1975年の和食が最も健康的だとわかったので、そのメニューを実際に人間に食べてもらい、実証したのが2回目の研究だ。テストは、実験1と実験2が行なわれた。実験1では、肥満度を表わす体格指数BMIが24~30以下の軽度肥満の60人(20~70歳)を次の2つのグループに分けて比較した。
(1)1975年型食事を1日3食、計28日間食べてもらうグループ。
(2)現代型食事(現在の日本人の食事摂取基準に準じたメニュー)を1日3食、計28日間食べてもらうグループ。
一方、実験2では、実験1と同じ食事を、BMIが18.5~25未満の標準体型の人々(20~30歳)を16人ずつの2グループに分けて食べてもらった。さらに、全員に試験期間中週に3回、1日1時間以上の中程度の運動(速足ウォーキングなど)を行なってもらい、運動能力などの変化やストレスチェックを記録した。つまり、1975年型食事と現代型食事が、肥満者(実験1)と、もともと健康な人(実験2)の双方に、どんな影響を与えるかを調べたのだ。
その結果、次のことが明らかになった。
(1)肥満者を対象にした実験1では、1975年型食事の人は現代型食事の人に比べ、BMI指数と体重が明らかに減り、悪玉のLDLコレステロールやヘモグロビンA1c(糖尿病の指標)、腹回りの長さに減少傾向が見られた。また、善玉のHDLコレステロールが増加傾向を示した。
(2)健康な人々を対象にした実験2では、試験期間中に運動をしたこともあって、(1)のような体の面での差はなかった。しかし、1975年型食事の人は現代型食事の人に比べ、ストレス軽減と運動能力向上の面で明らかに効果がみられた。