自動運転で日欧と米国が主導権争い G7共同宣言、早くも空文化?

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協調よりも主導権

   自動運転は自動車メーカーの開発競争が先行し、国際的な基準作りが追いついていない。そもそも、国連の道路交通関係の条約(ジュネーブ条約)は無人運転を認めていないのだ。米国道路交通安全局(NHTSA)も現段階では無人運転を認めていないが、人工知能(AI)が安全にアクセルやブレーキを操作するのであれば、将来的に認める方向で議論が進むとみられている。

   自動車の次世代技術として期待される自動運転をめぐっては、完全自動運転に向け、慎重に技術開発を進める日欧と、日欧より積極的な米国の2陣営で温度差がある。このため、自動運転に向けた国際的な基準づくりの一本化が望まれている。

   軽井沢で開かれた第2回G7交通大臣会合では、G7としての結束が共同宣言に盛り込まれたが、米国は同会合の開催直前の9月20日、自国の安全基準を指針(ガイドライン)として定めた。自動運転車が備えるべき性能として障害物の発見や対処法、サイバー攻撃からの防御、倫理面の検討など15項目を示し、日本のメディアでも大きく報じられた。ただし、米国は日欧との協調よりも自国の基準づくりを優先し、国際的に主導権を握ることを目指しており、G7の共同宣言の空文化が早くも懸念されている。

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