FT報道、誤発注、アルゴリズム... どれも推測の域?
ポンド相場の突然の暴落と急騰。その原因はいったいなんだったのだろうか――。前出の外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏は、「それがはっきりしたことは、わかりません」と話す。
「『英国はEU離脱の報いを受ける必要がある』とのフランスのオランド大統領の発言を、英紙フィナンシャル・タイムズが報じたことが原因する向きもありますが、これまでも同じような発言がありましたから、常識的に考えるとそれ(発言)がポンと急落を招いたとは考えづらい。また、誤発注のような人為的なミスも最近はシステムの精度がかなり上がっていますから、これも考えづらいですね」。さらには、コンピューターによるアルゴリズム取引がポンド売りを誘発したとの指摘もあるが、どれも推測の域を脱しないようだ。
ポンド売りの材料が見当たらないなか、「ただ一つだけ言えることがあります」と続ける。「買いポジションを持っていた人の損失が進み、ロスカットが相次いだことで下げ幅が急速に拡大した」とみている。
英国のEU離脱問題もあり、なお下げやすい環境にあることは間違いない。そのため、「長期間の買いポジションを持ち続けるのはリスクが高いとはいえます」と話す。