「グルコサミンって本当に効くの?」 BBCの「意地悪実験」結果に「まさか」

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専門家はサプリメントより運動を推奨

   2カ月後、サプリメントのグループは55%の人が痛みはかなり和らいだと評価した。多くの参加者はサプリメントの効果を信じ、「まるで別人になったみたい」と熱っぽく語った女性もいたほどだ。

   一方、毎日、運動をしていたグループは80%の人がサプリメントと同様の効果が見られたと報告した。運動の方が効果的という数字だがサプリメントの効果も大きかったようだ。

   しかし、実際に臨床試験に使われたサプリメントはいったい何だったのだろうか? 実はプラセボといわれる偽薬で、グルコサミンではなく、カプセルに砂糖を詰めただけの錠剤だったという。

   試験に参加した人は関節痛に効果のあるピルだと信じ込んだので、症状が緩和された、と感じたらしい。

   薬の効果を科学的に調べるのは二重盲検試験と言われ、患者も医師もどれが偽薬かを知らされていない厳重な試験なので、これはいわば専門家による「意地悪試験」。これだけでグルコサミンが利かないとはもちろん言えるものではない。

   この臨床試験を指導したコナハン教授は「関節の周りにある軟骨や腱のあたりから痛みを感じる人は多い。椅子から立ち上がったり、大きなビンを持ち上げたりするとき、痛みを感じることがよくありますが、それは筋肉が次第に衰えてきているからです」と話し、サプリメントを買うより、日常的に身体を動かして筋肉を鍛える方を勧めている。

   わが国でも、専門機関の国立健康・栄養研究所が「健康食品の安全性・有効性情報」で、「(グルコサミンの)関節の痛みや関節炎に対する効果が検討されているが、現時点ではポジティブな(有効性があるとする)結果とネガティブな(有効性がないとする)結果の両方が存在している」と両論を併記し、結論を出すことを避けている。

   健康食品ブームを追い風に国内でも大人気のグルコサミンだが、BBCの報道をきっかけに、人気に影響が出るのかどうか、気になるところだ。

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