中高年になるとひざやひじなど関節の痛みや関節炎に悩む人が多い。この痛みを和らげたり症状を緩和したりするのに、サプリメントのグルコサミンが世界中で人気だ。
でも科学的な効果ははっきりしないようで、英国の公共放送BBCが最近、専門家の協力を得て実施した臨床試験の結果が話題を呼んでいる。
関節痛の80人を被験者に大がかりな実験
グルコサミンは身体の関節を形づくる軟骨や靱帯、腱などに多く含まれているアミノ酸だ。エビやカニなど甲殻類から抽出したグルコサミンが健康食品として大人気で、BBCの調査では、2014年の段階では2万9千トンのグルコサミンが世界中で販売されたという。
「関節の動きをなめらかにする」「関節の痛みを改善する」と効果が宣伝される一方で、科学的な効果はまだはっきりしないという有力な意見もある。
そこでBBCの「信じなさい。私はドクター」という番組がグルコサミンの科学的な効果について大がかりな検証試験を行った。キャスターの医師と協力して、検証をしたのは関節痛の世界的な権威、英国中部にあるリーズ大学のフィル・コナハン教授。ひざの関節痛に悩む80人を集め、40人には効果があるとされるサプリメントを投与し、残り40人には毎日の運動(エクササイズ)を指導した。