【主治医が見つかる診療所予習復習SP】(テレビ東京)2016年10月1日(土)
「免疫力&代謝をUP! 正しい呼吸法教えます」
10月に入っても台風が日本各地で大雨を降らせ、気温が30度を超えて真夏の暑さが戻ってきた地域もある。気候の変動が激しく、健康を維持するのもひと苦労だ。
夏の疲れを引きずったまま、体調を崩してはいないだろうか。番組では、軽い咳(せき)を軽視していた人が、あやうく命にかかわる重病に襲われたケースを紹介した。
感染源が特定できない厄介な菌
神奈川県の柏初子さん(63)は8年前、突然軽い咳とたんが出るようになった。夏風邪と自己判断して市販薬を飲み、通院はしなかった。ところが1週間後、咳は激しくなり、のどの辺りに「物が詰まっているような」違和感に襲われた。そのうち、ひどい時は寝ているときも咳で目が覚め、睡眠不足に陥った。
異変を感じた柏さんは、呼吸器専門医のもとを訪れた。診断の結果、告げられた病名は「肺マック症」。実は近年、患者数が激増している病気だ。40年前は数百人程度だったが、毎年1~2万人ずつ増加し、現在では20万人にも達しているという。
原因は「MAC(マック)菌」と呼ばれる、結核菌に似た細菌だ。呼吸の際に吸い込むと肺に入り込んで組織を破壊し、呼吸機能が著しく低下する。症状が悪化すると呼吸不全となり、最悪の場合は死に至る。
厄介なのは、感染源が特定できない点だ。主に水や土の中に生息しており、いつ体内に入ってくるかが分からないので防ぎようがない。家の中では、シャワーヘッドをはじめ水回りに繁殖、また庭いじりをした際に土から感染する恐れがある。
呼吸器科医の大谷義夫氏によると、マック菌は結核菌と違って人から人に移ることはないという。ただし今日では、肺マック症患者は結核の患者数を既に超えていると話した。