3つの方法は「卵子」「受精卵」「卵巣」の凍結保存
それによると、生める方法(生殖医療)は次の3つだ。抗がん剤投与や放射線療法の影響によって、若い女性でも閉経と同じ状態になったり、副作用で卵巣機能が低下したりする場合があるため、がん治療の前に行なう必要がある。
(1)卵子の凍結保存:細長い針を卵巣にさして卵子を採取し、凍結保存。がん治療が終わり病気を克服したあとに体外受精をさせ、体内に戻す。
(2)受精卵の凍結保存:体外受精をさせた受精卵を、治療後に溶かし体内に移植する。
(3)卵巣組織の凍結保存:腹腔鏡手術によって片側の卵巣を摘出し、一定の大きさの組織に切り、組織片を凍結保存する。治療後に溶かして体内のもう1つの卵巣に移植すると、卵巣の機能が回復し再び排卵が起こるようになる。自然妊娠や人工授精ができるようになる。
どの方法がよいか、主治医と相談することが大切だ。また、卵子や卵巣組織の凍結を行なっている医療機関は、日本産科婦人科学会のウェブサイトの「登録施設一覧」でも調べることができる。