「悲惨な登板成績」だった松坂 「本格復帰」の可能性と課題

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冷たい勝負の世界の風

   気になるのは松坂の本格復活である。力で押すピッチングは期待できないだろう。球威は落ちているし、変化球も多彩とはいえない。この秋から来春までにどう新しいスタイルを作るのか。

   ソフトバンクは松坂と「3年、12億円」で契約している。投げたのは2シーズンで先日の1イニングだけ。その最大の理由は故障続きということである。5年前に右ヒジをトミー・ジョン手術。昨(15)年8月に右肩手術。投手にとっていずれも致命的とも思われる手術だ。

「これからどうするか考えたい。来年に向かって頑張る」

   松坂は決意をそう口にしている。日米でエースだった男のプライドがこのままでは許さないだろう。ファンもカムバックする勇姿を見たいはずである。

   俗に「松坂世代」という。松坂を中心に活躍した選手が、皮肉にも次々と戦力外通告を受けている。名前の知られるところでは、ヤクルトの新垣渚、DeNAの久保裕也、長田秀一郎らだ。36歳の秋、松坂らには冷たい勝負の世界の風だろう。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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