アマゾン、「読みたい放題」でやりたい放題? 「全削除」され講談社は抗議

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   アマゾンジャパンが提供する読み放題サービス「キンドル アンリミテッド」をめぐり、出版社や著作者から続々と不満の声があがっている。このサービスは2016年8月3日、「月額980円(税込)で和書12万冊以上」の電子書籍が読み放題になるとうたってスタート。

   だが、サービス開始から1週間~10日ほどで削除が始まり、これまでに講談社と光文社は全点が削除された。講談社は抗議声明を発表した。

  • 「Kindle Unlimited」のウェブサイト。月額980円の読み放題サービスだ
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事前通告なく17点が削除、その後の議論も平行線

   講談社の広報室によると、同社が提供していた約1200点のうち、サービス開始から1週間~10日後にランキング上位に入っていた17点が削除された。そのうち約10点が女性のグラビア写真集で、元「オセロ」の中島知子さん(45)、元スノーボード選手の今井メロさん(28)らの写真集も含まれている。この削除について、アマゾン側からの事前通告はなかったという。講談社は複数回にわたってアマゾン側に抗議や申し入れを行ってきたが議論は平行線が続き、9月30日頃になって講談社の作品が全部削除された。講談社は、こういった事態を「書目を提供してきた出版社として大変困惑し、憤っております」として、10月3日に

「アマゾン社の配信の一方的な停止に対して強く抗議いたします」

とする声明を発表した。

   光文社も、読み放題サービスに提供していた全作品を削除された。同社広報室によると、サービス開始時点で約550点が登録されていたが、9月の初めにアマゾン側から契約内容の変更を要求。光文社側は了承せず、平行線が続いていた矢先に全作品を削除された。光文社では、契約の内容やアマゾン側の要求の内容については明らかにできないとしながらも、

「元々の契約通りのサービスの履行を求めている」

と話している。

小学館も「強く申し入れ」

   小学館は最も多いときで635点を提供していたが、そのうち写真集約150点と雑誌20~30点が削除されたという。同社広報室は10月4日、

「一部作品が配信を停止されたことで、サービスに加入された読者の皆様に対して十全な対応ができていないこと、また、著作者の皆様に不安を与えていることについてアマゾン社に対して善処するよう、強く申し入れをしております。かかる事態が読者、著作者の不利益につながりかねないことを憂慮しており、出版業界の発展を停滞させないよう、話し合いを続けてまいります」

とするコメントを出した。

   アマゾン・ジャパンに対して今後の対応方針について取材したところ、同社は10月4日夕方、

「Kindle Unlimitedは電子書籍の定額読み放題サービスで、書籍や動画などを対象とした数多くの定額利用型のサービスと同様に対象作品は随時変動しています。また、Kindle Unlimited対象のタイトルはKindleストアが提供している豊富な品揃えの一部であり、Kindleストアで販売しているすべての商品は1冊単位からご購入いただけます」

と回答した。

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