「大隅氏にノーベル賞」で話題の「栄誉教授」って何? 「名誉教授」との違いはこれだ

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   2016年のノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典・東京工業大学栄誉教授(71)の「肩書き」に注目が集まっている。

   大隅氏の肩書きは、一般的によく聞く名誉教授ではなく「栄誉教授」。やや聞きなれない肩書きのためか、ネット上で「(名誉教授と)どう違うんだろう」「名誉教授のバージョンアップなのかなぁ」といった声が相次いだ。

  • 大隅氏が「栄誉教授」になったのは2014年(写真:ロイター/アフロ)
    大隅氏が「栄誉教授」になったのは2014年(写真:ロイター/アフロ)
  • 大隅氏が「栄誉教授」になったのは2014年(写真:ロイター/アフロ)

学校教育法に定められた「名誉教授」

   全国の大学でみられる「名誉教授」は、学校教育法106条に定められた称号だ。条文には「大学は、当該大学に学長、副学長、学部長、教授、准教授又は講師として勤務した者であつて、教育上又は学術上特に功績のあつた者に対し、当該大学の定めるところにより、名誉教授の称号を授与することができる」とある。

   一方、今回の「栄誉教授」は東京工業大が独自に設けた称号だ。同大広報センターの担当者は10月4日、栄誉教授の授与規定は「東京工業大学栄誉教授の称号授与に関する規則」として11年に施行し、規定に基づいてこれまで10人が栄誉教授となり、大隅氏はその中で9番目(14年)だと説明した。

   栄誉教授の資格について、規則の条文では「本学の教授若しくは本学を退職した者又は本学の学士課程の卒業生若しくは大学院修了生のうち、ノーベル賞、文化勲章、文化功労者、日本学士院賞又はそれらと同等の教育研究活動の功績をたたえる賞若しくは顕彰を受けた者」と定められている。

   大隅氏のノーベル賞受賞報道をうけ、

「(名誉教授と)どう違うんだろう」
「名誉教授のバージョンアップなのかなぁ」
「栄誉教授は名誉教授の誤植じゃなくて、このままでいいんですか?」

といった疑問がツイッターに寄せられているが、名誉教授と栄誉教授の間には、学校教育法に定められた称号と大学が独自に設けた称号、という違いがある。

東工大「栄誉教授になっても、給与体系に影響ありません」

   栄誉教授のように、一部の大学が独自に設けた称号は他にもあり、代表的なものが「特別栄誉教授」だ。

   04年に施行された東京大学の「特別栄誉教授規程」によると、特別栄誉教授になれるのは「教授、准教授、講師、助教及び助手のうち、著しい功績等をあげた者」「本学を退職した者であって、在職中の著しい功績等によって引き続き本学に対する貢献が見込まれる者」。功績に応じて「栄誉手当」の支給もできる、とある。

   02年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏や04年に日本国際賞を受賞した藤嶋昭氏、直近だと15年にノーベル物理学賞を受賞した東大宇宙線研究所長の梶田隆章氏に授与されている。

   ちなみに、栄誉教授には「栄誉手当」が支給されるのか東工大の広報センターに聞いたところ、「称号の付与なので、給与体系に影響はありません」との回答が返ってきた。

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