どんな指でも手術で再接着できるとは限らない
ただし、指がどんな状態でも手術により必ず接合できるとは限らない。2016年5月13日付の朝日新聞デジタル「骨と関節の病気 予防と治療」で、弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座の上里涼子助教は、切断部分が鋭利であり、土壌などの汚染が少ない方が「再接着」しやすいと解説。半面、圧迫されて切断された、高熱の機械に巻き込まれたり挟まれたりした、挟まれた状態で指を引き抜こうとして神経や腱がちぎれて縫合が困難、というような場合は再接着が難しいとした。
切断後に冷却措置を施さなかった場合も、同様に再接着が困難になるという。冷却は重要だが、指を直接氷水に入れると細胞が破壊されるため、注意が必要だ。
切断後は、もちろんできるだけ早く手術を受けなければならない。上里助教は「8時間まで再接着可能」と説明する。日本形成外科学会のウェブサイトには、「切断後24時間以上放置された指の再接着に成功した例も数多く報告されています」とあるが、同時に早急に病院と連絡をとるよう促している。