「ぱるる」の愛称で親しまれたAKB48の島崎遥香さん(22)が2016年10月3日に行われたCM発表会で、16年いっぱいで同グループメンバーとしての活動を終了し「卒業」すると正式発表した。
島崎さんは、ここ数年はグループ外で女優としてテレビや映画に出演することが増えている。ただ、「『女優さんになります』って言えるほどの実力もない」と、「女優」という進路を明言することはためらっていた。そんな中で「夢」として挙げたのが「ジブリの声優さん」だった。
2016年いっぱいのAKB卒業を正式発表
島崎さんらが出席したのは、アルバイト情報サイト「バイトル」のCM発表会。9月12日に放送が始まった「卒業前」篇のCMは、島崎さんがアルバイトを辞めて「卒業」することを決意する内容で、「思わせぶり」だとの指摘が相次いでいた。その4日後の9月16日には日刊スポーツが、島崎さんが「グループから卒業する意思を固めている」と報じ、9月25日にはスポーツ報知が「来年(2017年)1月にグループを卒業する」と具体的な時期に踏み込んでいた。こういったことから、近いうちに島崎さんが卒業を発表するとの観測が強まっていた。
島崎さんは卒業発表後、徳光和夫さん(75)から今後の活動について聞かれ、
「今すぐに、簡単に『女優さんになります』って言えるほどの実力もないですし...。何だろうな...」
「『女優1本で行きます!』って、ここではそうは言えないんですけれども、ここに来てくださっている記者の皆様もそうですし、ファンの皆様をはじめ、芸能関係者の皆様が応援してくださる声がある以上は、いただいたお仕事に全力で取り組んでいきたい」
などと「女優」を明言することをためらったが、
「ずっと夢だったことがあって...。それはジブリの声優さんをやりたいな、って」
と口にした。
過去のスタジオジブリ制作作品に出演した若手女優は、志田未来さん(23、借りぐらしのアリエッティ=2010年)、長澤まさみさん(29、コクリコ坂から=2011年)、瀧本美織さん(24、風立ちぬ=2013年)、高月彩良さん(19、思い出のマーニー=2014年)、有村架純さん(23、同)らがいる。島崎さんは、こういったポジションを狙っていきたい考えのようで、その場にいた渡辺麻友さん(22)も
「いつか、かなうんじゃないか。すごく可能性のある夢」
と応援していた。
女優活動も多くなったが、ファンには「塩対応」で不評
島崎さんは09年に9期生としてAKB48に加入。新曲のセンターポジションをじゃんけんで選ぶ12年の「じゃんけん大会」で優勝し、知名度を上げた。ここ数年は映画「劇場霊」(15年)、テレビドラマ「警視庁 ナシゴレン課」(16年)など、グループを離れて女優として活動することも多かった。一方で、ファンや報道陣への素っ気ない対応が「塩対応」だとして非難されることも多かった。
夏頃に島崎さんと電話で相談したというHKT48の指原莉乃さん(23)は
「こんなに努力が表に伝わらなくて、こんなに悩みや不安が外に伝わらない子って、いるんだなって」
「今はとっても誤解されやすい部分が多いけど、(AKBを)辞めて、女優さんというひとつの夢に向かって、進んでいく時に、皆さんに分かっていただけるのでは」
などとエールを送っていた。
総監督の横山由依さん(23)は島崎さんと同期だ。横山さんによると、16年3月末のコンサートのリハーサルで島崎さんから卒業について相談を受けたが、「泣いて止めた」。当時島崎さんは「迷うよ」と答えていたが、それから半年を経ての卒業発表となった。横山さんは
「卒業してからも、ぱるるが何らかの形で活躍してくれることが(AKB48グループの)メンバーにとってもファンの皆さんにとっても、これからの励みになるのではないか」
などと涙を流していた。今回の発表会では、10月4日放送開始の新CM「NEXTステージ」篇で、島崎さんがアルバイトを辞めて「社員になる」ことが明らかにされた。