減税の対象絞り込みなどが焦点に
2015年度から適用している今のエコカー減税は普通乗用車の新車では、実に8割が対象になっていて、与党税調では「現在の技術からすれば甘い」との議論があり、対象車の絞り込みを進める構えを見せる。具体的には、平均燃費を上回る車に重点化するといった案が検討対象になりそうだ。
自動車業界にとっては複雑な自動車関連税の簡素化や抜本的な負担軽減は悲願。特に消費税との二重課税という主張は正論であるだけに、業界として消費税率10%への引き上げを改革実現の絶好の好機と位置づけ、陳情を重ねてきた。例えば消費増税後は自動車購入初年度の自動車税免税といった案も浮上している。消費増税は延期されたが、景気減速で大規模な経済対策が再び講じられるような場合、消費から町工場まで幅広く波及する自動車分野だけに、税負担軽減が受け入れられる余地があるとの期待もある。
税収減を何より懸念する財務省・総務省にとって、業界の要望は受け入れがたいところ。エコカー減税を延長するにしても、燃費不正を最大限に「利用」し、国土交通省や自動車業界に対し、不正対策の徹底を求めつつ、減税の対象絞り込みなどを主張するとみられる。
党、政府、業界を巻き込んだ議論は年末の税制大綱委決定までもつれそうだ。