エコカー減税「延長」に立ちはだかる 「不祥事起こした業界が要求できるのか」論

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   2017年度税制改正で、エコカー減税が焦点の一つになっている。環境性能の高い自動車の取得や保有にかかる税を軽減する制度で、2017年春に期限を迎え、自動車業界が維持・拡充を求めている。ただ、三菱自動車の燃費データ不正の余波で、「不祥事を起こした業界が減税を要求できるのか」(与党税調関係者)との声もあり、議論は一筋縄ではいきそうにない。

   車を買うときは自動車取得税と自動車重量税を納める。車検のたび重量税を払うほか、普通車には自動車税、軽自動車は軽自動車税が毎年かかる。一方、国交省が定めた燃費基準の達成度合いに応じた減税措置がある。

  • エコカー減税は2017年税制改正の焦点の1つとなる。(画像はイメージ)
    エコカー減税は2017年税制改正の焦点の1つとなる。(画像はイメージ)
  • エコカー減税は2017年税制改正の焦点の1つとなる。(画像はイメージ)

消費増税との関係

   自動車には、購入時にかかる自動車取得税(地方税)、車検時にかかる自動車重量税(国税)、毎年の自動車税・軽自動車税(地方税)がある。取得税のエコカー減税では、燃費性能に応じ、非課税の電気自動車などから20%まで軽減を受けられる。重量税のエコカー減税は燃費性能により25~100%の減税になる。自動車税と軽自動車税は、エコカーを買った翌年度の税を軽くする「グリーン化特例」があり、25~75%軽減される。

   自動車税制の議論は消費税と密接に関係する。というのは、取得税と消費税の「二重課税」が消費税導入以来の懸案だからだ。2013年度税制改正で、消費税が10%になる2015年段階で取得税を廃止するとしたが、1回目の消費税引き上げ先送りを受け、2014年度税制改正大綱では、2017年4月とされた消費税率10%への引き上げと同時に取得税を廃止し、地方財源に穴があかないよう、購入時に燃費性能に応じて課税する新税の導入を明記した。エコカーの普及促進と一石二鳥の狙いだったが、消費増税の再先送りで、取得税が2017年3月末まで継続されることになった。

   取得税見合いで、自動車税が同じ2017年3月、重量税は4月末が期限とされており、この3税の扱いを2017年度税制改正で決めなければならない。

   政府・与党は、2019年10月の消費税率10%引き上げ時まで、基本的に3税を2年半延長する方向だ。ただ、現行のエコカー減税は甘すぎるとの声もある一方、日本自動車工業会(自工会)などは低燃費車の税負担を軽くするエコカー減税の延長に加え、持ち主が毎年支払う「自動車税」のさらなる負担軽減策をうかがい、議論の行方は霧に包まれる。さらに、三菱自の燃費不正も影を落とす。

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