中央政府の影響が及びにくい地方の中小メーカーの存在
ただ、中国の過剰生産が解消に向かうかは予断を許さない。今回の合併について、日本の鉄鋼業界からは「実のある形で成功させてほしい」(日本鉄鋼連盟の進藤孝生会長)、「第一歩を踏み出した」(新日鉄住金の宗岡正二会長)などと一定の評価をするコメントが出ている。
しかし、中国には中央政府の影響が及びにくい地方の中小メーカーが数多く存在する。大手が減産すると中小が増産するという構造になっているとされ、「大手の業界再編が進んでも過剰生産がどこまで是正されるかは不透明」(日本の鉄鋼大手)な状況だ。また、再編は雇用問題へと発展する可能性が高く、中国国内での反発が予想されるだけに、どこまで実効性を伴った再編が進むか、期待しつつも半信半疑というのが日本の業界の大方の見方のようだ。