【女の相談室】「小林麻央ショック」の女性に光 乳がん治療中も赤ちゃんを生める

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「お母さんの命も、子どもの命も救いたい」

   カオリさんの手術を担当した北野敦子医師(現在・国立がん研究センター中央病院勤務)はこう語っている。

北野医師「欧米では妊娠中のがん治療の研究が進み、がんを治療しながら出産する、両立の方法が開発されていますが、日本ではその事実を知らない医療者が多くいます。患者さんにも情報が十分に行き渡っていないので、試みる前に人工中絶してしまうケースが多いです。お母さんの命も子どもの命も救えるという事実を届けたいし、そして救いたい。それが私たちの願いです」

   そんな思いから北野医師らが中心になり、2016年9月16日、国立がんセンターや聖路加国際病院、国立成育医療研究センターなどのがん専門医や産婦人科医らが集まり、妊娠中のがん治療のマニュアル作成を始めるネットワークを作った。2017年のネットワークスタートに向け、相談窓口の設置や母子の長期フォローアップ体制づくりを進めている。

MCの和久田麻由子アナ「こうした動きをもっと早く知っていれば、赤ちゃんをあきらめずにすんだ人が多いと思いますが、日本であまり知られていないのはなぜですか?」
清有美子記者「日本では、がんに詳しい病院には産婦人科医がいなかったり、産婦人科の病院にはがん専門医がいなかったりと、横の連携がうまくいっていません。また、医師の間に、抗がん剤は妊娠期間を通じて使用できないという認識が根強く残っていると指摘する専門家もいます」

   番組では、北野医師らが立ち上げたネットワークの相談窓口の電話番号を紹介した。2017年に正式にネットワークがスタートするが、それまでの窓口は次のとおりで、患者の症状に応じ対応できる医療機関を紹介するという。

   03-5550-7098(聖路加国際病院がん相談支援室)

   また、これとは別に「聖路加国際病院ブレストセンター」にもウェブサイトがあり、乳がん患者に対するチーム医療の現状やサポートプログラム、様々な乳がんに関する情報を紹介している。

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