「完全に不登校とイコールです」との主張も
保健室が果たす「居場所」としての機能について調査・考察した論文が、愛知教育大学保健環境センター紀要・第9号(2010年)に掲載されていた。子どもたちは「受け入れられている感じ」「精神的安定」「自己肯定感」を覚えているという。来室頻度が高いほど「生徒にとって保健室は日常生活により密接した場所になるであろう」と分析している。
ただ、そうした保健室登校の常態化には異論もある。不登校生徒を受け入れる「フリースクール元気学園」(静岡市)はウェブサイトで、保健室登校は「完全に不登校とイコールです」「全く学校に行かない状態より、長引くことになります」と警鐘を鳴らす。
さらに、学校に行ってほしいと思う親と、行きたくない子どもとが「綱引き」のようにせめぎ合い、「こう着」しているのが保健室登校の状態であるとし、
「時間だけ経っていく」「問題の先送りを、親子でしている」
と指摘する。その状態が長引くほど、他の児童・生徒との距離が大きくなり、学校に復帰するのがますます難しくなっていくとして、「問題が雪だるま式に増えていきます」。真剣に親子で向き合うべきであり、解決に動くのは「子どもではなく、親」だと主張する。