大人の発達障害「ADHD」啓発動画 当事者のディスカッションを発信

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   発達障害の1つであるADHD(注意欠陥・多動性障害)は、子ども特有のものと思われてきたが、最近、大人にも多いことがわかってきた。当事者は誰にも相談できず、自分一人で悩みを抱えている人が多い。

   そこで自分の症状を知り、日常生活の困難を克服してもらおうと、医薬品の開発・輸入・販売「日本イーライリリー」(本社・神戸市)がNPO法人「DDAC」(発達障害をもつ大人の会)と協力し、大人のADHDの啓発動画を制作、2016年9月27日インターネット上に公開した。

見かけは普通の人と変わらないが

   この動画は、ウェブサイト「大人のためのADHD.co.jp」で配信。NPO法人「DDAC」が運営する当事者サロン「関西ほっとサロン」の参加者によるグループディスカッションや、会社を経営しているADHDの女性と主治医との対談を中心に構成されている。時間は約45分。

   ADHDは、不注意な言動や基本的なミス、衝動的な行動をとることが特徴。失敗を繰り返し、職場や家族に迷惑をかけることを重ねて、うつ病や不安障害に症状が進む人が多い。周囲からは「変わり者」「やる気がない」と誤解され、本人にも自分に何が起こっているか理解できずに苦しんでいる人が多い。

   NPO法人「DDAC」の広野ゆい代表は、発表資料の中で、「ADHD当事者は私も含めて見かけは、できないことを取り繕ったり、できるように見せたり、無理に頑張ってしまって、余計に普通に見えてしまう方が非常に多いです。まず、自分の特性を知り、一緒に解決策を考えていきましょう」と呼びかけている。

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